シングルス・ダブルス・サーブ・反則バドミントンの得点、コート、シングルスとダブルスの違い、サーブ位置、フォルト、レット、休憩、用具規格を初心者向けに図解します。
バドミントンを始めると、「何点で勝ち?」「サーブはどこから?」「シングルスとダブルスでラインはどう違う?」と迷いがちです。
この記事では、BWF(世界バドミントン連盟)の競技規則をもとに、一般的なバドミントンで必要になるルールを図解します。得点、コート、サーブ、ダブルスの順番、フォルト、レット、休憩、用具、審判まで一通り確認できます。
更新上の注意
本文は 2026年9月17日時点の現行21点制 を中心に説明しています。BWFの規則ページには、2027年1月4日から有効となる新しい競技規則も掲載されています。2027年以降にこの記事を利用する場合は、末尾の「2027年からの変更予定」も確認してください。
まず覚えたい7つの基本
- 通常は21点・3ゲームマッチで、2ゲーム先取。
- ラリーに勝った側が、サーブ権に関係なく1点を得る。
- 20対20以降は2点差が必要。ただし29対29では30点目を取った側が勝つ。
- サーブは、サーバー側の得点が偶数なら右、奇数なら左から打つ。
- サーブは対角線上のサービスコートへ入れる。
- ラインに少しでも触れれば「イン」。完全に外なら「アウト」。
- ネットに触れる、二度打ちする、相手を妨害するなどはフォルト。
1. 試合形式:21点・3ゲームマッチ

通常の試合は 3ゲームマッチ で行い、先に2ゲームを取った側が勝者です。よく「3セットマッチ」と言われますが、BWFの規則では game と表現されます。
- 各ゲームは原則21点先取
- 2ゲーム連取なら第3ゲームは行わない
- 第3ゲームまでもつれた場合も同じ得点ルール
- 前のゲームに勝った側が、次のゲームで最初にサーブする
2. 得点:ラリーポイント制

現在は ラリーポイント制 です。サーブ権を持っているかどうかに関係なく、ラリーに勝った側に1点が入ります。ラリーに勝った側は、次のサーブ権も得ます。
20対20になった場合
先に2点差をつけた側がゲームを取ります。
- 22対20:終了
- 24対22:終了
- 25対24:まだ続く
29対29になった場合
30点目を取った側が勝ちです。したがって1ゲームの最大スコアは 30対29 です。
3. コートチェンジと休憩

選手は次のタイミングでコートを交代します。
- 第1ゲーム終了後
- 第2ゲーム終了後、第3ゲームを行う場合
- 第3ゲームで、どちらかが最初に11点へ到達したとき
交代を忘れていた場合は、シャトルがプレー中でないタイミングで気づき次第交代し、それまでの得点はそのまま残します。
休憩時間は次のとおりです。
- 各ゲームで、先に11点へ到達したとき:最大60秒
- 第1・第2ゲーム間、第2・第3ゲーム間:最大120秒
4. コートの大きさとネットの高さ

標準コートは長さ 13.40m、ダブルスの横幅 6.10m、シングルスの横幅 5.18m です。
主な寸法は次のとおりです。
| 項目 | 寸法 |
|---|---|
| コート全長 | 13.40m |
| ダブルスの横幅 | 6.10m |
| シングルスの横幅 | 5.18m |
| ネットからショートサービスラインまで | 1.98m |
| バックバウンダリーラインからダブルス用ロングサービスラインまで | 0.76m |
| ラインの幅 | 40mm |
| ネット中央の高さ | 1.524m |
| ダブルスのサイドライン上の高さ | 1.55m |
ネットの支柱は、シングルスでもダブルスでもダブルス用サイドライン上に置きます。
5. シングルスとダブルスで使うライン

シングルス
シングルスのラリーでは、内側のサイドラインと一番奥のバックバウンダリーラインを使います。つまり 細く、奥まで が有効範囲です。
ダブルス
ダブルスのラリーでは、外側のサイドラインと一番奥のバックバウンダリーラインを使います。つまり 横に広く、奥まで が有効範囲です。
ただし、ダブルスのサーブだけは奥の範囲が短くなります。詳しくは「ダブルスのサービス範囲」で説明します。
6. ライン上はイン

コートのラインは、そのラインが囲んでいる有効エリアの一部です。シャトルのコルク部分がラインに少しでも触れていれば イン。ラインの外側へ完全に落ちた場合だけ アウト です。
羽根の先ではなく、最初に床へ接触したコルク部分を基準に判断します。
7. 試合前のトス

試合前にトスを行います。トスに勝った側は、次のどちらか一方を選びます。
- 最初にサーブするか、レシーブするか
- どちら側のコートから始めるか
トスに負けた側は、残った項目を選びます。たとえば勝った側が「最初にサーブ」を選んだら、負けた側が開始するコートを選べます。
8. 正しいサーブの基本

サーブは、サーバーとレシーバーが 斜め向かいのサービスコート内 に立って行います。正しいサーブは、上向きに飛び、ネットを越えて、妨げられなければ相手のサービスコート内へ落ちる軌道でなければなりません。
サーバーとレシーバーは、サービスコートの境界線を踏んではいけません。
9. サーブ時のチェック項目

正しいサーブでは、次の条件をすべて満たします。
- 両者の準備ができた後、不当にサーブを遅らせない
- サーバーとレシーバーは、両足の一部を床につけた状態で静止する
- サーバーは、シャトルに意図的な回転を加えずに手から放す
- ラケットは最初にシャトルの台、つまりコルク部分へ当てる
- 打つ瞬間、シャトル全体が床から1.15mより低い
- ラケットヘッドの最初の前方運動からインパクトまで、動きを連続させる
- サーブしようとして空振りしない
- 対角線上の正しいサービスコートへ入れる
ラケットヘッドの後方への動きが終わった後、サーブ開始を不自然に遅らせる行為も遅延とみなされます。
レシーバーの準備ができる前にサーブしてはいけません。ただし、レシーバーが返球しようと動いた場合は、準備ができていたものと判断されます。
サーブがネットに触れたら?
ネットに触れただけで自動的にフォルトになるわけではありません。ネットを越え、正しいサービスコートへ入れば、そのままプレーを続けます。
一方、サーブしたシャトルがネット上に止まったり、ネットを越えた後にネットへ引っ掛かったりした場合はフォルトです。
10. 偶数は右、奇数は左
サーブ位置は サーブする側の得点 で決まります。
- 0・2・4・6…の偶数:右サービスコート
- 1・3・5・7…の奇数:左サービスコート
相手の得点ではなく、サーバー側の得点を見るのがポイントです。
11. シングルスのサーブルール

シングルスでは、サーバーの得点が偶数なら右、奇数なら左から、斜め向かいへサーブします。
サーバーがラリーに勝った場合
サーバーに1点が入り、左右を入れ替えて同じ選手が続けてサーブします。
レシーバーがラリーに勝った場合
レシーバーに1点が入り、その選手が新しいサーバーになります。新しい得点の偶数・奇数に合わせて、右または左からサーブします。
シングルスのサービス範囲
シングルスのサービスコートは 横に狭く、奥まで長い 範囲です。内側のサイドライン、一番奥のバックバウンダリーライン、ショートサービスラインで囲まれた対角側へ入れます。
12. ダブルスのサービス範囲

ダブルスのサービスコートは 横に広く、奥が短い 範囲です。
- 横:外側のダブルス用サイドラインまで
- 手前:ショートサービスラインより奥
- 奥:ダブルス用ロングサービスラインまで
サーブが返された後のラリーでは、ダブルス用の外側コート全体、つまり一番奥のバックバウンダリーラインまでが有効です。
13. ダブルスのサーブ順と立ち位置

ダブルスでも、サーブする側の得点が偶数なら右、奇数なら左です。
重要なのは、自分たちがサーブしているときに得点した場合だけ、2人の左右が入れ替わる ことです。レシーブ側がラリーに勝ってサーブ権を得ても、その時点では左右を入れ替えません。
基本の流れ
- サーブ側がラリーに勝つ:1点を得て、同じ選手が反対側から続けてサーブ。
- レシーブ側がラリーに勝つ:1点を得て、新しいサーブ側になる。
- 新しいサーバーは、その側の得点の偶数・奇数と現在の配置によって決まる。
ゲーム開始時に、最初のサーバーをA、相手側の最初のレシーバーをC、それぞれのパートナーをB・Dとすると、サーブ権の順番は原則として次のように循環します。
A → D → B → C → A…
同じゲームの中で、同じ選手が2回連続してレシーブすることはありません。次のゲームでは、前ゲームの勝者側はどちらの選手が最初にサーブしてもよく、敗者側もどちらが最初にレシーブしても構いません。
サーブ中、パートナーは自陣内のどこに立っても構いません。ただし、相手のサーバーやレシーバーの視界を遮ってはいけません。
14. サーブ順・サービスコートを間違えた場合

次の場合は「サービスコートエラー」です。
- サーブまたはレシーブの順番を間違えた
- 間違った左右のサービスコートからサーブまたはレシーブした
間違いに気づいたら、シャトルがプレー中でないときに正しい順番・位置へ直します。それまでの得点は取り消しません。
15. ラリー中の基本
サーブが返された後は、シングルスでは両選手が交互に、ダブルスでは両チームが交互にシャトルを打ちます。
ダブルスでは、同じチーム内の打つ順番は固定されていません。どちらの選手が打っても構いませんが、相手が打つ前に味方同士で連続して触ればフォルトです。
ラリーは次のいずれかで終わります。
- シャトルがコート面に落ちる
- フォルトが発生する
- レットが宣告される
- シャトルがネットまたは支柱に当たり、打った側のコートへ落ち始める
16. シャトルに関するフォルト

ラリー中、次のような場合はフォルトとなり、相手側に1点が入ります。
- シャトルが有効範囲の外へ落ちる
- ネットを越えない
- 天井や側壁に触れる
- 選手の身体や衣服に触れる
- コート外の人や物に触れる
- ラケット上でシャトルを止め、持つ・運ぶ・投げるように打つ
- 同じ選手がシャトルを連続して2回打つ
- 選手とそのパートナーが続けてシャトルを打つ
- ラケットに触れた後、シャトルが相手コートの方向へ飛ばない
ただし、1回の連続したスイング中にシャトルがラケットのフレームとストリング面へ続けて当たった場合は、二度打ちのフォルトにはなりません。
17. ネット付近でのフォルト

シャトルがプレー中に、ラケット、身体、衣服がネットや支柱へ触れるとフォルトです。
オーバーネット
シャトルを最初に打つ位置は、自分側でなければなりません。自分側でインパクトした後、自然なフォロースルーとしてラケットがネットを越えるのは認められます。
アンダーネット
ラケットや身体がネット下から相手コートへ入っただけで、必ずフォルトになるわけではありません。相手を妨害したり、注意をそらしたりした場合にフォルトになります。ただし、安全のため、実際のプレーではネット下へ大きく踏み込まないようにしましょう。
妨害・威嚇
- 相手が合法的に打とうとする動きを妨げる
- 叫び声やジェスチャーで故意に相手の注意をそらす
これらもフォルトです。
18. レット:ラリーのやり直し

レットが宣告されると、そのラリーは得点に数えず、直前にサーブした選手がもう一度サーブします。
主なレットは次のとおりです。
- レシーバーの準備ができる前にサーブした
- サービス時にサーバーとレシーバーの両方がフォルトをした
- サーブの返球後、シャトルがネット上に止まった
- サーブの返球後、ネットを越えたシャトルがネットに引っ掛かった
- プレー中にシャトルが分解し、台と羽根部分が完全に分離した
- コーチの行為などでプレーが妨げられたと主審が判断した
- 線審にも主審にも判定できず、映像判定でも決められない
- 予測できない事故や状況が発生した
体育館の別コートからシャトルが入り込んだ場合なども、一般に安全確保のためレットとしてラリーを止めます。
19. プレーの継続、助言、コートを離れる行為
試合は原則として連続して行います。体力や呼吸を回復するために、意図的にプレーを遅らせてはいけません。遅延に当たるかどうかは主審が判断します。
助言を受けられるのは、シャトルがプレー中でなく、選手が次のサーブ・レシーブ位置につくまでです。また、規定の休憩以外にコートを離れる場合は、主審の許可が必要です。
20. マナー違反と罰則

次の行為は禁止されています。
- 故意にプレーを遅らせたり中断させたりする
- 速度や飛び方を変えるため、シャトルを故意に加工・破損する
- 暴言など、攻撃的または不適切な行為をする
- 競技規則に明記されていないその他の不正行為をする
主審は状況に応じて警告を出し、繰り返した場合はフォルトを宣告します。重大な違反では、最初からフォルトとなることもあります。主審から報告を受けたレフェリーは、違反した側を失格にできます。
21. シャトル・ラケット・ネットの主な規格

シャトル
天然羽根のシャトルは、主に次の規格です。
- 羽根:16枚
- 羽根の長さ:62~70mm
- 羽根先端が作る円の直径:58~68mm
- 台の直径:25~28mm
- 重量:4.74~5.50g
合成シャトルも、基本的な寸法と飛行特性が天然羽根シャトルに近い必要があります。素材の違いから、一定の寸法・重量差が認められます。
シャトルのスピードテスト
バックバウンダリーライン上から、サイドラインと平行にアンダーハンドで強く打ちます。正しい速度のシャトルは、反対側のバックバウンダリーラインより 530~990mm手前 に落ちます。
ラケット
- 全長:最大680mm
- 全幅:最大230mm
- ストリング面:原則として最大280×220mm
- ストリング面は平らで、交差するストリングが均一に張られていること
- 形状を大きく変えられる装置は禁止
摩耗防止、振動抑制、重量調整、落下防止コードなど、用途が明確で妥当な大きさ・位置の付属品は認められます。
22. 審判の役割と異議申し立て
主な審判は次のとおりです。
- レフェリー:大会全体の責任者
- 主審(アンパイア):試合、コート、その周辺を管理
- サービスジャッジ:サーバーのサービスフォルトを判定
- 線審:担当ラインのイン・アウトを判定
各審判が担当する事実判定は原則として最終判断です。ただし、主審が線審の明らかな誤判と確信した場合は訂正できます。映像判定システムが使われる大会では、ライン判定へのチャレンジをシステムが判断します。
規則の解釈に対する異議は、次のサーブが打たれる前に申し立てます。試合終了時なら、申し立てる側がコートを離れる前に行う必要があります。
23. 2027年からのルール変更予定

この記事を作成した2026年9月17日時点では、現行ルールは21点・3ゲームマッチです。一方、BWFの規則ページでは 2027年1月4日から有効となる新しい「Laws of Badminton」 が案内されています。新方式は15点・3ゲームマッチで、14対14以降は2点差が必要、20対20では次の21点目で決着します。
したがって、2027年以降に大会へ参加する場合は、必ずBWF、日本バドミントン協会、各大会の最新要項を確認してください。地域大会や練習会では、時間短縮のため独自の点数を採用することもあります。その場合は大会・施設側のルールが優先されます。
よくある質問
Q. サーブがネットに当たって入ったらやり直し?
いいえ。ネットに触れても、ネットを越えて正しいサービスコートへ入れば有効です。
Q. ライン上に落ちたらイン?
はい。ラインは有効エリアの一部なので、コルクが少しでも触れればインです。
Q. ラケットがネットを越えたら必ずフォルト?
いいえ。最初に自分側でシャトルを打ち、その後の自然なフォロースルーで越えた場合は認められます。相手側にあるシャトルを先に打つのはフォルトです。
Q. ダブルスでパートナーと立ち位置を交代するのはいつ?
自分たちがサーブしている状態でラリーに勝ち、得点したときです。レシーブ側として得点し、サーブ権を得ただけでは左右を交代しません。
Q. シャトルが天井に当たったら?
BWFの原則ではフォルトです。ただし、低い体育館などでは施設・大会独自のローカルルールが定められる場合があります。
まとめ
初心者が最初に覚えるなら、まずは「21点制」「偶数は右、奇数は左」「サーブは対角線」「ライン上はイン」の4点で十分です。そのうえで、ダブルスのサーブ順、サービス範囲、ネット付近のフォルトを覚えると、試合中の迷いが大きく減ります。
ルールに迷ったときは、その場の感覚ではなく、大会要項と最新の公式規則を確認しましょう。
参考資料
本記事は一般的な標準バドミントンの理解を目的とした要約です。パラバドミントン、ハンディキャップマッチ、代替得点方式、大会運営・広告・服装・映像判定などの詳細規定は、BWFの各該当規則を参照してください。

